このところYou Tubeで大きな話題となっている広島県安芸高田市の石丸伸二市長。
その石丸市長が裁判を抱えているという話がありました。
その裁判とは、安芸高田市の議員からの恫喝についてと、選挙ポスターの件のようです。
一体どんな内容なのか非常に気になります。
ということで、その二つの裁判について経緯から双方の言い分や結果までを調べてまとめていきます。
石丸市長が抱える二つの裁判の結果は?
結論から記載しますと、石丸市長が現在抱えていると思われる裁判は二つありますが、そのどちらもいまだ裁判中です。
1、安芸高田市の議員である山根議員との裁判。
山根議員が石丸市長に対して「名誉を傷つけられたと」して損害賠償500万円を要求したもの
第一回口頭弁論は行われている
2、印刷業者から訴えられた裁判
石丸市長が3年前の市長選挙で作ったビラとポスターの費用を一部しか支払っていないと業者から訴えられたもの
広島地裁からは石丸市長に対して支払いが行われた金額を差し引いた残りの金額を支払うように命じられたが、石丸市長が控訴した
2023年12月13日に広島高裁が石丸市長の控訴を棄却した
この後のセクションで、この二つの裁判について経緯などを詳しくまとめます。
裁判【その1】山根議員の恫喝疑惑
まず一つ目は、山根議員の恫喝疑惑についての裁判です。
ことの発端
そもそもの発端は、2020年9月に行われた議会の一般質問のさなかに、居眠りをしていた議員がいたことを石丸市長が指摘したことだと思われます。
この石丸市長のツイートは大きな話題を呼び、物議を醸し出しました。
そもそもこれまでにも、国会中継で居眠りしている議員が話題になっていましたので、世間も議員の居眠りについて不快に感じていたのでしょう。
非公開の全員協議会が行われる
居眠りについてのTweet後の9月末に、石丸市長は市議会から非公開の全員協議会に呼ばれます。
そして石丸市長が全員協議会である議員からの「どう喝」があったとSNSに投稿しました。
石丸市長はこの日の全協で、9月末に市議会から非公開の全協に呼ばれてツイッターへの投稿の意図について説明を求められた際、どう喝と受け取れる発言があったと問題提起。
「(市議会を)敵に回すと政策が通らなくなる」などと発言したとする市議1人を名指しし、真意を問うた。
中国新聞 https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/55868
石丸市長のSNSでの報告は、非常に大きな注目を浴びました。
10月の全員協議会で石丸市長が議員を名指しする
非公開の全員協議会が9月末に行われ、その翌月10月にすべての議員が集まる協議会が開かれました。
そこで、メディアの前で石丸市長が名指ししたというのが山根議員だったとメディアは報じています。
石丸市長は、山根議員のみを名指ししたという。
FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/194129
山根議員はこの名指しを受け恫喝を否定、2021年3月末に、非公開の全員協議会の際の音声データを公表しました。
名指しされた相手議員が訴えを起こす
名指しされた山根議員は、石丸市長に対して「名誉を傷つけられた」「多くの支持者を失った」などとして500万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
広島県安芸高田市議会の山根温子市議(65)が9日、自身から「どう喝」されたとする同市の石丸伸二市長の虚偽の発言で名誉を傷つけられたなどとして、石丸市長を相手に500万円の損害賠償を求める訴えを広島地裁に起こした。
中国新聞 https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/80659 2021年6月9日
この訴えに対して、石丸市長側は「どう喝は事実」と主張し、請求の棄却を求めました。
裁判結果はどうなったのか
結論から記載しますと、裁判結果はまだ出ていないと思われます。
山根議員の公式HPには今のところ裁判の結果については何も記載されていません。
また石丸市長からも裁判の結果については何も発信がありません。
ここで山根議員がいつ石丸市長に対して訴えを起こしたのか調べてみました。
中国新聞の記事では日付が2021年6月9日となっています。
他のメディアでも2021年6月9日に記事がありますので、山根議員が損害賠償を求める訴えを公表したのは2021年6月9日であると思われます。
この山根議員からの損害賠償を求める裁判については、7月16日に第1回の口頭弁論があったとの報道もありました。
広島・安芸高田市の石丸市長の「どう喝を受けた」とする発言に名誉を傷つけられたなどとして、市議会議員が損害賠償を求めている裁判の第1回口頭弁論がありました。
RCC中国放送 7月16日
裁判の行方については、2021年7月16日に行われた第1回の口頭弁論についての情報しか得られませんでした。
始まってからすでに2年以上が経過しているこの裁判、現在はどうなっているのでしょうか。
この裁判の進展や結果について新たに情報が出ましたら記事を更新します。
裁判【その2】石丸市長のポスター代金未払い
続いては3年前の市長選のに作ったポスターやビラについての裁判です。
裁判結果
結論から記載しますと、広島地裁から石丸市長に対して支払うようにとの判決がくだされています。
それではここからは裁判についての大まかな説明になります。
石丸市長は2020年に安芸高田市の市長選への出馬をわずか1ヶ月前に決断しました。
そして見事当選し、安芸高田市の市長となります。
選挙にはポスターやビラが必須なことは皆さんおわかりかと思います。
石丸市長ももちろん、市長選ではポスターやビラを作成し、選挙戦を戦いました。
しかしそのポスターやビラを制作した業者から訴えられ、残りとされる金額を支払う判決が、2023年5月30日に言い渡されています。↓
3年前に行われた安芸高田市の市長選挙で、当選した石丸伸二市長からポスターやビラの製作を請け負った業者が、報酬の一部しか支払われていないと訴えた裁判で、広島地方裁判所は市長に対し、残りの報酬にあたる72万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。
NHL広島NEWSWEB
裁判官からの結論を簡単にすると「赤字覚悟で仕事を請けるというのは考えにくい。業者側が主張した費用を認めます。」ということですね。
裁判官からの結論はこちらです。↓
財賀裁判官は判決理由で「営利企業が赤字になることをいとわず業務を請け負う理由は乏しく、合意があったと認めることはできない。業務内容に見合う額を報酬額とするという共通認識を有していたと認めるのが相当だ」と指摘した。
具体的な報酬額については「製造原価、業務量など固有の事情を基に算出されるべきだ」などとし、業者側が主張した見積額と新聞折込費用の計107万7549円が相当だと結論付けた。
中国新聞デジタル
これに対して石丸市長は控訴しています。
石丸市長の控訴が棄却される
本日12月13日、石丸市長の控訴が棄却されたことが報道されました。
2020年8月に行われた安芸高田市の市長選挙をめぐり、石丸伸二市長からポスターなどの製作を請け負った印刷業者が報酬の一部しか支払われていないと訴えた裁判で、広島高裁は石丸市長の控訴を棄却しました。
広島テレビ放送
控訴棄却は、審理をした上で,第一審の判決に誤りがないことが分かった場合に出されます。
ですから今回の控訴が棄却されたということは、第一審の判決に誤りがないと認められたということですね。
判決だけ見ると、石丸市長に問題があったように見えます。
しかし、この判決には疑問も残ります。
それはポスター代金が高すぎるのでは?ということです。
この次の章では石丸市長の主張をまとめてあります。
そしてその後に他の議員さんが出している選挙費用に関する説明の動画を添付します。
そちらをご覧いただけるとこれまでの印象とは違うものになるかもしれませんし、そうで無い方ももちろんいらっしゃるでしょう。
石丸市長側の主張
石丸市長側は、「公費負担分の上限を支払うことで納得していた」ということを主張していたようです。
石丸市長側は「公費負担となる選挙運動費用の上限を報酬額とする合意があった」と主張し、上限に当たる34万8154円を支払っていた。
中国新聞DIGITAL
ということは、石丸市長側は選挙運動費用の上限分は支払ってあったということですね。
確かに選挙には届け出があれば「定められた額の範囲内でポスターやビラを無料で作成することができる」ようです。
★第6条及び9条…候補者は、第12条2項及び3項で定める額の範囲内で、選挙運動用ビラ及びポスターを無料で作成することができる。
★第7条及び10条…(略)選挙運動用ビラ及びポスターの作成に関し有償契約を締結し、その旨を市選挙管理委員会に届け出なければならない。
★第11条及び12条2項…選挙運動用ビラ及びポスターの限度額が規定
この文章から読み取れることは、あくまでも定められた範囲内での額の話でその額を超えるようであればその分は候補者自身で支払うということですね。
どうしてこういった行き違いになってしまったのでしょうか?
そして中國新聞デジタルによると、石丸市長は広島地裁の判決に対して控訴しているようです。
石丸市長の主張は「ポスター費用等を公費で負担することが前提の選挙制度と、矛盾する司法判断」だということです。
一度は判決が出たこの裁判も、控訴しているということですから、裁判継続中ということになりますね。
安芸高田市の田邊議員が選挙費用やポスター代金について詳しく説明してくれています。
この動画を見るとこの裁判に対する印象が変わる方もいるのではないでしょうか?
石丸市長を訴えたのは中本本店
石丸市長を訴えた印刷業者がどこかはみなさん気になっていたことですよね。
石丸市長から自身のXで、印刷業者についての発言がありました。
「株式会社 中本本店」という印刷業者さんだったようですね。
そして石丸市長のポストにはメールも添付されていました。
具体的な金額については、石丸市長、業者さん、どちらも記載がありません。
ただ石丸市長は「選挙運動の費用に制限があるため」ということは業者へ伝えています。
そして業者さん側は「石丸様へは負担はないかと思いますが」と送っています。
石丸市長は「ポスターとビラの費用は公費負担です」とも送っています。
このメールだけで判断することはできませんが、ここだけ読むと石丸市長が公費のみの金額と認識していたとしてもおかしな話ではないのかなと感じます。
業者さんから石丸市長へ具体的な金額の提示はなかったのでしょうか?
まとめ
石丸市長が二つの裁判中ということで、詳細を調べてみました。
裁判結果についてはまだ出ていないようですので、結果が出たら記事を更新します。
またポスターの件については、石丸市長なりに考えがあってのことではないでしょうか?
それでは今回はこの辺で失礼します。
最後まで記事を読んでくださいましてありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (5件)
ポスターの件で石丸市長の本性を知りました。
応援していたのに騙された気分で愕然としております。
今思うと「あれ?」と感じる言動がやたら多かったのですが、無意識に見て見ぬ振りをしていたように思います。
私含めて人間てこんなに簡単に騙されるんですね。
誰にでも長所も欠点もありますので、それを踏まえた上で、支持するも支持しないもどちらでも良いのではないかなと思います。
政治に関心を持つことは大切だと思いますので、石丸市長はそういった部分では大きく貢献しているのではないでしょうか。
またポスターの件は、石丸市長なりに何か考えがあるということも考えられます。
(裁判のことはあまり報道がされていませんので、現状わかる範囲でのまとめです。)
そしてこの記事は石丸市長を下げたいという意図は全くないということはご理解いただけますと幸いです。
元自営業だが判決理由は不可解。{営利企業が赤字でやるはずがない}こんなこと信じる者がおるのか?事業を1円で落札する企業があるではないか。自分だって後々の事を考えて赤字覚悟で請け負う事が有った。中国新聞が広島市の市議選での選挙ポスターの値段について市内の複数の印刷業者を取材しているが、「上限額109万円を金箔でも貼らないと、この額は無理」と言っている業者がいる。何故発注書や契約書が無いのか言うと、選挙開票日までに業者が選管に届けるので実際にかかった費用に関係なく上限額を書き込んで請求出来る、選管も明細がなくていいので適正額を判断出来ないらしい。石丸市長の根拠は公費上限額で、「選挙制度に違反する額で依頼するはずがない」一方の側の{はずがない}で判決を下している。
二審判決が12月に出るらしいがどうなることやら。
コメントありがとうございます。
元自営業者の方からの視点でお話していただけることは非常に参考になります。
確かに今後を考えて赤字覚悟で仕事を請け負うということもありますね。
「投資」のようなものですよね。
管理人としては業者側でも石丸市長側でもありませんが、裁判の行方は非常に気になるところです。
中本本店も外部の圧力より仕方なく訴訟したと思います。